わが街 泉北ニュータウン
6歳の頃、泉北ニュータウンに引っ越してきました。当時は街びらき間もなく、住宅の建設がぽつぽつと始まったばかりでした。一足先にスタートしていた公団団地には同世代のこどもたちがたくさんいて、新しい友達もすぐにでき、子供会活動などもなかなか活発でした。
街びらきから50年。
同時期に同世代が移ってくる「ニュータウン」の宿命ではありますが、特に戸建の住宅地では、大きな家に1人または2人暮らしが多く、2階の雨戸は閉まったまま、昼間も街は閑散としていて、街の様子はずいぶん変わったように思います。
MUKという設計事務所を立ち上げ、第一号の仕事が、泉北ニュータウンにある実家のリフォームでした。築20数年で老朽化した水廻りのやり替えを中心に、建築当時は7人で暮らしていた二世帯住宅を、定年を間近に控えた夫婦2人が、生活を楽しみ、快適に暮らせる場を目指しました。
リフォーム後。
来客も増え、趣味も広がり、日常の家事ひとつをとってみても「生活の質が劇的に変わる!」ということを実感。建築のもつ力を、再認識したものでした。
その数年後には、築30年のマンションを自宅兼事務所にすべく購入。全面リフォームをしました。古くからの団地であるが故のメリット、敷地にゆったりと建っていて、駅近で便利、などを享受しつつ、内部は自分たちの暮らしにあわせて一新。快適に暮しています。
この地域が ”賑わいがあり、街としての魅力に溢れること” を願ってやみません。建築に、家づくりに携わる者として、そのためにできることは何か?
そのひとつが、上記のような中古住宅、中古マンションを、住人はもちろん、地域に愛される空間に作り変えていくことではないかと思っています。
『緑道』(こどものころは”あか道”と呼んでいました。地面がもっと赤茶けていたのです。)
車と交わることなく、バリアフリーで、どこまでも続く散歩道です。泉北ニュータウンのいいところを問われれば、間違いなくこれを挙げると思います。
新檜尾公園。メタセコイアの並木が続く、美しい公園です。この池は今でもザリガニ採りに夢中になる親子で賑わいます。